予防

予防

“予防にまさる治療はなし”とは内科的な疾患だけではなく、歯科でも同様にあてはまります。歯科の2大疾患であるウ蝕も歯周炎も原因は細菌による感染です。 感染である以上細菌がなければ発病しません。 つまり予防出来るという事です。 最近のウ蝕や歯周炎の病因学は著しい進歩をしております。20年前には考えられなかったような研究の成果がでてきており、治療や予防に反映されています。 以前はウ蝕の場合放っておいても自然治療はないので、早期発見・早期治療が一番と、小さな虫歯を見つけては大きく削ってアマルガムやレジンをつめていました。 しかし、いくら治療しても口腔清掃があい変わらず悪ければすぐに再発しますし、新しい虫歯も増えます。 つまり虫歯の元を断ってしまわないと一時的に良くなるだけです。それよりは極力歯を削らずにおく方が歯を長期間持たせることができます。一度削ってつめた歯はどんどん修復の大きくなるサイクルに入ってしまい数十年で喪失してしまいます。 今まで、一方通行のように悪化するばかりと思われていた、ウ蝕も実は、脱灰と再石灰化をくり返し唾液の力で元の状態に修復していることが分かってきました。

歯科口腔衛生指導についての説明

う蝕の原因

う蝕の原因

むし歯の原因には歯質、糖分、細菌、時間の4つの要素が関与しているので、予防には歯磨きだけですれば良いという訳ではありません。甘いものを避けるだけでなく、良い生活習慣を身につけてください。

う蝕の症状について(変色、疼痛、口臭、腫脹など)

1.むし歯が進行するに従って、冷たいものから暖かいものにもしみるようになります。痛みがなくなったからといって、むし歯は治っているわけでないのです。何時も注意が必要です。
2.むし歯が原因となって口臭がある場合も多いので、いい対人関係を築く上でもむし歯の治療や予防が必要です。
3.むし歯になるとその部分の歯の黒ずんできます。特に、むし歯が進行して歯の神経を取ってしまった場合などには、歯全体が黒褐色になってしまいます。いつまでもきれいな歯でいるために手入れが必要です。

う蝕の症状について(変色、疼痛、口臭、腫脹など)

歯周指導

歯周病の段階をあらわしています。

歯周指導
歯周指導
歯周指導
歯周指導
歯周指導
歯周指導

比べてください。

比べてください。
比べてください。

えっ、こんなになっちゃうの?

健康な歯周組織
健康な歯周組織
歯周病が進行した歯肉
歯周病が進行した歯肉

歯周病は歯を支えている歯周組織を破壊していく病気です。病気がひどくなると、支えている骨がなくなってしまうので歯が動くようになり、しまいには抜かなければならなくなってしまいます。

歯周病の予防に必要なこと

歯周病の予防に必要なこと
プラークコントロール
・毎日の歯磨き
・歯科医院での定期的なプラークコントロール
生活習慣の見直し
・タバコをやめる
・ストレスをためない
・規則正しい生活
歯周病の予防に必要なこと

歯周病は、感染症という面と、生活習慣病という面を合わせた病気です。
したがって、歯周病を予防するには、この両方の面からアプローチする必要があります。
感染症の面からは、プラークコントロール(バイオフィルムの機械的除去)、生活習慣病の面からは、生活習慣の見直しです。

歯周病の予防に必要なこと

プラークコントロール(バイオフィルムの機械的除去)の中心は、自分でおこなう毎日の歯磨き、言うまでもなく、歯磨きでバイオフィルム(プラーク)をきちんと取り除くことは、歯周病の予防にとって非常に大切ですので、ぜひ自分に合った歯磨きの方法を身につけてください。

しかし、毎日の歯磨きで歯ぐきから上のバイオフィルムは取れますが、歯ぐきから下のポケットに溜まったバイオフィルムや歯石は取れません。そこで歯科医院で定期的に専門家によるプラークコントロールを受け、ポケットの中のバイオフィルムや歯石をきれいに取りましょう。

定期健診の重要性

歯周病は、感染症という面と、生活習慣病という面を合わせった病気です。
したがって、歯周病を予防するには、この両方の面からアプローチする必要があります。
感染症の面からは、プラークコントロール(バイオフィルムの機械的除去)、生活習慣病の面からは、生活習慣の見直しです。

●定期健診を受けている人の状態

●定期健診を受けている人の状態

●定期健診を受けていないで悪化した状態

●定期健診を受けていないで悪化した状態

脱灰-再石灰化

口の中に食べ物が入るとphは酸性になります。これは歯の表面に付着したプラークでも同様、酸性になり歯の表面を酸で溶かします。それが、脱灰で表面からナトリュウムやリンが放出されます。プラーク中の細菌は酸性状態でより多くの細菌が増え表面のエナメル質を溶かします。

一方唾液は酸性になった口腔内を中性に戻す力があります。これを唾液の緩衝能といいますが、人によってその能力は大きく違いますので、中性状態に戻る時間が違います。唾液に溶け出したリン酸やナトリウムイオンが表面にもう一度取り込まれるのを再石灰化といいます。酸性状態に長時間あればそれだけで脱灰が進みますし、短ければ脱灰が少なくてすみます。このような脱灰と再石灰化を一日に何回も繰り返しています。
*機械的にプラークを除去しないと、うがいやガムを噛んでもとれない
*プラークは歯面に付着した細菌の塊
*食事をしなくても時間が経てば歯の表面に付着してくる
歯周病原菌が直接歯表にくっつくのではなく、唾液由来のペクリルという物質が歯面に形成され、それに細菌が付着し始める。 3~5日で急激に増殖し、内部つまり歯面に接する部には嫌気性のグラム陰性菌という歯周病原菌が発育する。 ウ蝕を引き起こすミュータンス菌は付着能をもった細菌で歯面に付着します。その後ショ糖からグルカンを産生し、より強固に歯面に付着します。更に、他の付着能のない細菌までもが、プラークの塊を成長させていきます。そして歯面はこれらの細菌の産生する酸により脱灰されていきます。 

このことから分かるように唾液の力によって、自然にウ蝕になりかけても元に戻るのですから早期に歯を削ってつめなくてもよいのです。ただこれは唾液の緩衝能が強かったり、口腔内のプラークが少なかったり、糖分摂取が少なかったりいろんな条件があります。
唾液の緩衝能が弱い人はこのような事はできませんのでそれを補うことが必要です。
それは、フッ素の力です。フッ素は歯磨剤のなかにも含まれていますが、それだけでは不十分で、ジェル状のものがありますので、通常の歯ブラシでこすりつけます。
唾液に混じったフッ素イオンが歯面から取り込まれエナメル質の結晶構造の中に入り込み歯質を強化します。 このことより通常のエナメル質より強い構造ができます。 このような新しい知識は、歯医者だけのものではなく、患者さんに知ってもらい理解してもらうことにより、どうすれば虫歯になる事を防げるのかを分かってもらう必要があります。そしてそのために必要なことを実施してもらうのです。正しい情報を患者さんにも伝え、知識を共有する事により、なぜプラークコントロールが大切なのか、どうすれば虫歯や歯周炎を防げるかを理解する事ができるのです。理解していない事はいくら押し付けても実行は無理です。頭で理解できた事を実行する事はできます。
これが長期間実行続けるための動機付けとなります。

歯ブラシ指導、歯石除去などをいくら行っても何故それが重要なのか、実行しなければ、どうなるのかを理解できていないと、短期間で元の状態に戻ってしまいます。

誰もが面倒な歯ブラシやフッ素をしたくないし、糖分を控えたり、おやつの回数も減らしたくありません。出来れば歯科医院にも行きたくはないのですが、自分で自分の口腔内を100%コントロール出来る人はいません。
毎日自分でプラークコントロールを実施していても完璧ではないので、そこを専門科の衛生士に定期的にcheckしてもらい、不十分なところを指摘してもらったり、歯石をとってもらったりします。このような事は欧米では常識ですし、イギリス等では定期的なcheckを受けない人には保険が適用されない事もあるそうです。

医院概要・アクセス

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